振動障害
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診断方法
2008年度の研究を基に作成された情報です。
 労働者の訴える様々な症状について、職業との関連が疑われたら、患者の職業、全職歴、喫煙歴やスポーツ歴を含めた生活習慣を調べることが重要です。次のような項目を調べる必要があります。

問診

1)職歴を含む既往歴

 職種 使用工具、使用年数、振動曝露時間、職業訓練、保護具の使用の有無、健康診断受診状況に加えて患者の病歴、家族歴、社会歴、生活習慣、上肢に影響する外傷、手術歴、他の疾患の既往の有無、薬物や化学物質の曝露はないかの聴取、家族歴・生活歴についても聴取するのは他の一般疾患の時と同様である。

2)現病歴

 自覚症状について詳細な問診が必要である。つまり指の冷感、しびれ、蒼白発作、関節痛等の自覚症状の発祥時期、その進展経過について詳しく問診すること。

3)診察

 視診:手指の色調、外傷瘢痕の有無、手指・前腕の筋萎縮の有無など。
触診:血圧の測定、橈骨動脈の拍動性、足背動脈の拍動性の確認、Allenの圧迫テスト
   四肢の腱反射、整形外科的診察
   (頚椎性疾患の有無、および整形外科的各種の誘発テスト、関節可動域の測定等)

4)検査項目

(末梢循環障害)
 安静時皮膚温および寒冷負荷試験
 手指冷却負荷による手指収縮期血圧(finger systolic blood pressure FSBP)測定
 安静時爪圧迫および寒冷負荷爪圧迫テスト
 指尖容積脈波
 冷風負荷試験(一般的でない)
 その他:サーモグラフィー、レ−ザードップラー皮膚血流量、血管造影
(末梢神経障害)
 安静時振動覚閾値検査および寒冷負荷振動覚閾値検査
 安静時痛覚閾値検査および寒冷負荷痛覚閾値検査
 温度覚(温・冷覚)閾値検査
 末梢神経伝導速度検査
 その他 ニューロメータ−
(運動器障害)
 握力
 上肢骨関節(肘、手関節)エックス線写真
 つまみ力
 タッピング
 MRI等の画像検査

振動障害の診断と程度を調べるための末梢循環障害、末梢神経障害、運動器(骨・関節系)障害に関する各種の検査は専門家のいる施設で行うのがよい。

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