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両立支援
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「両立支援コーディネーター基礎研修」を実施

労働者健康安全機構では、治療就労両立支援モデル事業を実施していますが、患者さんのために医療と職場の橋渡しになる人材を育成する「両立支援コーディネーター基礎研修」を実施しました。

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 患者さんを中心に医療機関と職場との間で情報を提供し、仲介・調整の役割をする「コーディネーター」を養成するため、研修プログラムを作成し労働者健康安全機構(労災病院)の職員を対象として研修を実施してきましたが、平成29年度からは、受講者を一般の方々へも拡大して受け付けて実施しました。

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【開催状況】
第1回(5月27日): 受講者 97名 AP東京丸の内(東京都千代田区)

第2回(7月22日) :受講者 101名 AP大阪梅田茶屋町(大阪市)

第3回(9月23日) :受講者 128名 AP大阪梅田茶屋町(大阪市)

第4回 (11月11日) :受講者 199名 大手町ファーストスクウェアカンファレンス(東京都千代田区)

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【受講者の状況】
一般受講者(労働者健康安全機構の職員以外の方)の方:392名
(職種内訳)
 MSW(メディカル・ソーシャル・ワーカー):78名(19.9%)、
 看護師:73名(18.6%)、保健師:37名(9.4%)、医師:26名(6.6%)、
 作業療法士:23名(5.9%)、その他:143名(36.5%)
 その他の分類では、社会保険労務士や企業の労務担当者が目立った
(受講者の声)
□ 基礎研修としては概略がよくまとまっていて良い内容だと思う。他職種のチームワークがとても大切であることが実感できた。 (医師)
□ 両立支援を目指す者にとっての必要知識を無駄なく習得できる内容であった。俯瞰して支援者として何が必要かを改めて確認できた。 (キャリアコンサルタント)
□ スケジュールがタイトだと思った。1日でこれだけの内容を行い、理解するのは難しいので、2日に分けてもよいと思う。 (看護師)
□ 業務を行う中で復職を希望される患者さんを支援することがあったが、自分の説明に不十分なところがあり勉強になった。 (MSW)
□ 配付された両立支援マニュアルは内容を詳細に読みきれていないが、今後の支援の場で活用させていただきたい。(無記名)
(アンケート結果)
理解度: 87.1% (当日の研修内容が理解できたか)
満足度: 87.7% (当日の研修内容が今後の業務に役にたつか)
5段階スケールの上位2段階の割合。n :449

【質疑(一部)】
Q 支援をしても結果として両立が困難な患者について、どこに限界の線を引いて支援していくべきか。
A エンドポイントに明確な基準はなく、本人が納得して仕事を辞めるのか、何も考えずに辞めるのとでは、本人のその後の人生は変わってくる。本人と折り合いがつくとろこまで支援していくべき。最終判断は患者である本人がすることになる。

Q 支援に当たって、復職に際し医療機関から情報提供書の返答がもらえない、または、時間を要する場合がある。
A 個人情報保護の観点からスムーズに情報提供されないケースもあると思われるが、患者本人を通しての依頼であれば問題は少ない。また、具体的な項目を絞って確認する方法や、職場には安全で健康に仕事をしてもらうよう安全配慮義務がある旨を触れるのもよい。

Q 大学の医局員に両立支援の大事さを伝えたいが、現場の医師へ両立支援の概念が周知されていない。臨床医が全てのことを把握することは困難なので、両立支援に関してどうあるべきかをまとめてもらえるとありがたい。
A 産業医研修会などにおいて両立支援関する研修会は徐々に増えてきている。また、医学教育のコアカリキュラムにおいて、医師として求められる全人的実践能力として両立支援に関する項目が新たに追加された。緩和ケア研修などと同様に医師に理解してもらう必要がある。

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政府の「働き方改革実行計画」において、病気の治療と仕事の両立がテーマのひとつとして挙げられています。その中で、主治医、会社・産業医などが相互に連携して患者をサポートするシステムの必要性が指摘され、これらをコーディネートするための医療や心理学、労働関係法令の知識を身に付け、患者、主治医、会社などのコミュニケーションの「ハブ」として機能する「コーディネーター」の育成が示されています。

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研修では各講義の資料のほか、モデル事業として収集してきた両立支援の症例により作成された「治療と就労の両立支援マニュアル」を受講者全員へと配付しました。