筋・骨格系障害
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研究目的

 わが国では労務災害としての腰痛は、急激に発症した災害性腰痛と、就業により増悪した慢性の被災害性腰痛とに分類されていますが、これまで心理社会的因子も考慮した質の高い研究はわが国では行われておりませんでした。
 この研究の目的は作業関連性腰痛の発症および慢性化となりえる「作業姿勢」、「作業動作」といった人間工学的因子に加え、「作業環境」、「勤務状況」、「種々のストレス」、「仕事、生活の満足度」といった心理社会的因子も調査解析することにより、勤労者の非特異的腰痛の実態を解明し、その新規発生と慢性化する予測因子を明確にすることです。

この研究の学術的特色

 これまでの研究の多くは、ある職場の職種と腰痛との関連を調べた研究(横断研究)でした。
 しかし、横断研究では腰痛とある因子との関連性があることはわかりますが、それが原因なのか結果なのかはわかりません。例えば気分が落ち込んだ人と腰痛との関連性があるという結果がでたとして、気分が落ち込むから腰痛を感じやすくなるのか、腰痛があるから気分が落ち込むのかはわからないわけです。
 今回行った研究では、まず腰痛と関連性のある因子を抽出しました。そしてその人たちを2年間追跡調査して、その因子のある環境のなかで仕事をしたとき、それまで腰痛の無かった人が、どの程度の割合で腰痛が発症したかを統計学的に解析することにより、腰痛の原因となる危険因子を明確にしました。このような研究をコホート研究といい横断研究より質の高い研究です。


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