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振動障害
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テーマ2.
振動障害の診断におけるマルチチャンネル・プレスチグラフィーを用いた冷却負荷指血圧検査の妥当性

対象と方法

6施設、男性の総数356人の測定結果を収集した。
(患者群:113人(うち14人は対象外) 健常対照群:243人)
健常対象者を年齢と施設でマッチングして得られた34ペアについて、過去にレイノー現象を有しない症例又は過去2年間以上レイノー現象を経験しない症例を含むペアを除外した振動障害症例・対照22ペアを分析対象とした。
冷却負荷指血圧測定には、マルチチャンネル・プレスチモグラフィーを用いた。

結果と考察

振動障害患者は対照群と比較して4指すべてでFSBP%値が統計学的に有意に低下していた。

対照群と振動障害患者の第2~5指のFSBP%値
対照群と振動障害患者の第2~5指のFSBP%値

ROC曲線下面積(AUC: area under the curve)と最適のカットオフ値と敏感度と特異度を示した。第3指のAUCは0.842であり他の指に比較して高い値を示した。第3指の最適のカットオフ値は82.7%で、敏感度と特異度は、それぞれ72.7%,95.5%と比較的高かった。

第3指のAUCは0.842であり他の指に比較して高い値を示した。第3指の最適のカットオフ値は82.7%で、敏感度と特異度は、それぞれ72.7%、95.5%と比較的高かった。

FSBP%値による振動障害患者の鑑別診断の妥当性
FSBP%値による振動障害患者の鑑別診断の妥当性

対象者が少ないなどいくつかの問題点はあるが、振動障害の末梢循環障害の診断に関して国際標準に基づくマルチチャンネル・プレチスモグラフィーを用いた冷却負荷指血圧検査の診断は比較的妥当な診断法といえる。