独立行政法人労働者健康安全機構 研究普及サイト

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研究の目的及び意義

① 手指外傷に対するスコアリングシステムの再検討および症例集の作成

(目的)
第一期の「手指切断・骨折等の職業性外傷」研究において、我々は受傷後3年以上経過した手指切断および不全切断の50例に対して呼び出し調査を行い、損傷重傷度および損傷形態の術後機能回復や職場復帰におよぼす影響および損傷重傷度の包括的スコアリングであるHISS(Hand Injury Severity Score)と最終獲得機能(玉井式評価基準およびDASH score)や職場復帰レベルとの相関に関しての調査を行った。その結果、損傷重傷度や形態の予後との関連およびHISSの予後推定における有用性が明らかとなったが、同時にHISSおよび第一期研究の以下に示す問題点も明らかとなった。すなわち1.HISSは皮膚、腱、神経、骨損傷に関しては評価しているが、血管損傷の有無を評価していない、2.第一期研究では切断や不全切断などの最重症例以外の軽傷から中等症におけるスコアリングの有用性に関しての調査が行われていない、3.HISS算定時における各指の機能的重要度に応じた定数の正当性の評価が不十分である、などの点である。今後これらの問題点に関してさらに研究を進める必要があると考えられる。
また、第一期研究では切断指再接着や、デグロービング損傷および高度挫滅に対して遊離組織移植による手指再建を行ったような特徴的な症例に対しての症例集の作成も目的としていたが、未だ完成しておらず今後の研究推進が求められる。
以上の背景より本研究の目的は、1.HISSに血管損傷因子を追加した修正HISSを作成し、その有用性を検討すること、2.血管損傷のない症例を含む幅広い対象に関して、HISSおよび修正HISSの有用性を検討すること、3.母指から小指のそれぞれの指の損傷が手指総合機能におよぼす影響を個別に評価し、各指に割り当てられている定数の妥当性を再検討すること、および4.再接着や遊離組織移植の症例に関する症例集を作成すること、である。

研究の学術的特色および意義
外傷治療に際してすでに種々のスコアリングシステムが日常診察に用いられ、手術適応や重度損傷肢の患肢温存の適否の決定および予後推定などに役立てられてきているが、これらのスコアリングシステムは下肢外傷を対象としており、上肢外傷特に手指切断の損傷重傷度に関して確立されたスコアリングシステムはない。我々は、Campbellらが提唱した手指外傷スコアリングシステムであるHISSに関して、主として手指切断や不全切断症例を対象としてその有用性を検討してきたが、前述したようにいくつかの問題点も認められており、本研究はより実情に則した完成されたスコアリングシステムの確立を目指している。これらは、損傷手の術後最終機能回復や職場復帰レベルの推定に役立つことから被災労働者および雇用者の両者に有用な情報となる。また、異なる施設間での治療成績の比較検討に際して、同一基準で重傷度を評価することによって共通のベースラインにたった公平性のある比較が可能となり、異なる治療法(種々の手術や保存療法)の大きな母集団での比較が可能となる。
また、代表的な手指外傷に関する症例集を作成することにより被災労働者や雇用者へ今後の治療内容および予後の説明に関して有用な情報を提供することが可能である。

② 切断指(肢)再接着に関する調査研究

研究の目的
世界で初めての切断指再接着手術が本邦において小松、玉井ら9によって施行されて以来すでに40年が経過した。手術機械および手術手技の進歩、臨床的及び基礎的データの蓄積によって切断指再接着手術は完成されたスタンダードな術式となっている。現状はすでにつながれば成功といえる時代ではなく、機能的さらには整容的にも満足できる再接着が求められている時代といえる。
現在、我々が目指すべき方向は技術的には、1)より末梢でより細い血管の吻合2)指長や関節を温存しての再接着3)再接着以外の切断指再建法の検討、などがあげられる。1)に対しては、固有指動脈が指動脈終末枝に分枝したレベル以遠での直径0.5㎜もしくはそれ以下の動脈吻合および指尖部掌側での極めて細い静脈(0.5㎜もしくはそれ以下)の血管吻合を安全に行うための高倍率手術用顕微鏡10および指尖部再接着(ultra microsurgery)用の特殊な手術機械の開発が必要である。2)に関しては安易な指短縮を行わず、静脈や静脈皮弁の移植などを併用して可及的に関節(特にPIP関節)を温存するという試みも考えられる。3)については、指末節部の切断指再接着においては、必ずしも不確実な再接着を行わずとも各種の皮弁形成によって整容的および機能的に良好な指尖部を再建することも可能であることより、指尖再接着とこれらの皮弁形成術さらには単純な断端形成術との比較を行い、機能的、整容的予後および患者の満足度の調査によって損傷レベルや形態に応じた治療指針を決定すべきである。
本研究における我々の目的は、1)指尖切断における確実性の高い安全な術式および手術機械の開発2)機能的および整容的に良好な再接着法の開発、および3)指尖部切断における再接着と他の術式(各種皮弁形成)との比較検討である。

研究の学術的特色および意義
手指再接着手術が全国的に普及するに従い、これまでは主として技術的問題から適応とされることの少なかった指尖部切断も積極的に再接着されるようになり、現在は手指再接着の半数以上がDIP関節よりも末梢の指尖部再接着となってきている。このような状況下において、指尖部の極めて細くかつ脆弱な動静脈を安全に縫合できる術式の確立は多くの手指末節切断患者に対する福音と考えられる。また、必ずしも全ての症例において再接着が可能なわけではないので、繊細な知覚や日常使用に耐える耐久性を持つ指尖部再建方法の確立もこれらの被災労働者にとって極めて有用である。さらに、年間約50例のマイクロサージャリー(切断指再接着、顕微鏡下神経縫合、遊離組織移植など)を行い、手指再接着センター的機能を持つ当施設においては単なる指の再接合のみでなく、機能的および整容的により高いレベルでの再接着を追及していく責任があると考えられる。

③ 必要性に応じたマイクロサージャンの集約化に関する研究・開発

(目的)
手指切断は術者や施設の都合に関係なく突然に発症する外傷であり、また再接着手術は整形外科手術の中では最も緊急性を要する手術である。指1本あたりの再接着で最低3時間程度の手術時間が必要であり、2本以上の多数指再接着手術においては術者の身体的および精神的負担も大きい。当科のデータでは多数指再接着において術者が二人で分担して手術を行った場合、1人で手術を行った場合より指1本あたり約30分の手術時間の短縮が認められた。多数指再接着手術は単独のマイクロサージャンで行うべきではなく、複数のマイクロサージャンがチーム手術として行うべきであるが、当地区(新潟県県央地区)では各病院に手の外科医が1人配置されているかどうかという状況である。このような状況下で多数指再接着手術に対応するためには、症例の発生時に必要に応じて異なる施設に所属する手の外科医を手術可能な施設に招集するようなシステムが必要である。すなわち、必要に応じた手の外科医もしくはマイクロサージャンの集約化ともいうべきシステムの構築は限られた人的資源を有効に活用するための一手段である。
本研究の目的はこのように、必要に応じた手術施設の選択および手の外科医の集約化を図るモデルシステムを作成し、実際に運営することによってその有用性および問題点を明らかにすることである

研究の学術的特色および意義
2004年に新卒後臨床研修システムが開始されて以来、新潟県内では整形外科勤務医数が漸減しており、中小規模のいくつかの病院では整形外科を廃止もしくは縮小せざるを得ない状況に陥っている。燕労災病院整形外科においても最大で8人であった整形外科常勤医数が現在1名にまで減少している。しかしながら地域の特殊性から依然として多くの手指挫滅、切断等の外傷が発生しておりこれらの症例に十分な医療サービスを提供し続けるためには、限られた人員の有効利用しかなく、すぐには整形外科勤務医の増員が見込めない現状では唯一の解決策であると考えられる。

国内・国外における研究状況及び特色・独創的な点

① 手指外傷に対するスコアリングシステムの再検討に関する調査研究および症例集の作成

(国内外の研究状況)
外傷や腫瘍切除後などの術後成績評価として、上肢の機能障害度を評価する方法には様々な機能評価法が考案され、治療効果の判定などに実際に利用されているが、上肢外傷の重症度の包括的指標に関しては1996年にCampbellらが提唱したHand Injury Severity Score(HISS)を認めるのみで、現在その有用性が検討されている過程である。HISSの有用性に関しては、2004年にSaxenaらが、23症例に関してHISSとDASH scoreとの相関を報告しているが、我々は切断や不全切断の50例に関してHISSと玉井の評価基準およびDASH scoreとの相関および職場復帰レベルとの関係に関しての報告を行った。Saxenaらの報告と我々の結果には若干の相違点が認められたが、その原因としては母集団の相違が考えられる。すなわち Saxenaらが対象とした症例は軽傷例も含む幅広い重傷度の母集団であったのに対し、我々が調査した症例は切断や不全切断という重症例のみであり、ある意味で選択バイアスがかかった母集団であったと考えられる。

特色・独創的な点
多岐に及ぶ外傷を一定の枠組みに当てはめていく作業は困難ではあるが、本研究の目的とする重症度のスコアー化による最終獲得機能予測と職場復帰レベル推定、さらには重傷度スコアによる最適な治療戦略の決定は他に類をみない極めて独創的な視点と考えられる。損傷重傷度のスコアリングは治療成績(最終獲得機能)や職場復帰レベルの予測に役立つばかりでなく、重症度スコアに応じての高次医療機関への搬送の適否の決定に役立ち、さらには異なる医療施設間で共通のベースラインにたった治療成績の比較が可能となるなどリサーチツールとしても有用である。

② 切断指(肢)再接着に関する調査研究

国内外の研究状況
指尖部再接着に対する臨床研究は我が国で盛んに行われている。代表的な研究を以下に列記する。主任研究者らは、爪基部より末梢に及ぶような指尖部再接着では動脈のみの縫合でも術後瀉血を併用することで良好な生着率を獲得できることを報告した。一方術後の煩雑な処置や出血のリスクを避けるための手技的なポイントとして、服部らは指尖部掌側での静脈吻合の重要性を報告しており、Koshimaらは再接着時に比較的縫合が容易な動脈吻合を行い、再接着翌日に十分に拡張した静脈の吻合を行うdelayed venous repairを報告した。
一方、黒島らは、指尖部の極めて微細な動静脈を吻合するための、高倍率顕微鏡および特別な手術器械を開発し、現在は微細動静脈を血管柄とする遊離皮弁などにも応用している。
再接着時の機能および整容を温存するための試みとしては、再接着時に強固な骨接合と確実な腱縫合を行うこと、術後早期可動域訓練を開始すること、静脈移植による動静脈再建によって安易な骨短縮を回避し、できるだけ再接着指の関節機能を温存する等のアプローチが考えられるが、切断指の損傷状態および術者の技量に依存する部分が大きく、まとまった報告は認められない。
指尖切断時における再接着困難例に関しては、平瀬らが指掌側皮弁と切断指からの骨移植および爪床移植などを併用して指尖再建を行うgraft on flap法を報告している。我々は指尖部再建のための逆行性指動脈皮弁に関してその手術成績、適応および手技上のポイントに関して報告している18。

特色・独創的な点
指尖再接着に関して技術的限界を高めるための手術用顕微鏡および手術器械の改良は他の研究者も行っているが、技術的限界を高めるとともに再接着以外の指尖再建法に関しても同時に再検討を行い、極めて微細な血管吻合が可能であることを前提とした上で両者の適応および手術成績に関しての検討を行うという視点はこれまでに例がなく独創的であるといえる。また、再接着指の機能および整容の向上に関しても手術手技、リハビリプロトコール等を含めた広い視野での検討を行っている研究は少なく、今後の発展が見込まれる。

③ 必要性に応じたマイクロサージャンの集約化に関する研究・開発

国内外の研究状況
マイクロサージャンの集約化が必要となるのは主として多数指の挫滅および切断の症例に対してであるが、多数指再接着における手術適応決定の問題点や手技上の工夫に関してはいくつかの研究報告が認められる19,20,21,22。しかしながら、そのような多数指再接着を行う場合にはマイクロサージャンを集約するといった提案は我々が昨年関連学会に発表23した以外は認められない。

特色・独創的な点
現状の限られた人的資源のなかで、多数指挫滅や切断の症例の手術成績を向上させるために必要時にマイクロサージャンを集約化させるという視点は極めて独創的であると考えられる。

研究進行状況および今後の計画

現在までの進行状況

現在までの進行状況

今後の研究計画

平成23年度研究計画
現在までの進行状況

平成24年度研究計画
現在までの進行状況

これまでの研究成果

論文

両側遊離鼡径皮弁を用いて初期治療を行った手関節以遠デグロービング損傷の2例
*燕労災病院整形外科, **新潟県立新発田病院, ***新潟手の外科研究所
松崎浩徳*, 三輪仁**, 成澤弘子***, 登石聡*
臨床整形外科 42: 587-592, 2007

母指切断に対して行ったWrap Around Flapと再接着症例の長期成績の検討
*燕労災病院 整形外科, **新潟手の外科研究所
宮崎義久*, 松崎浩徳*, 登石聡*, 武田宏史*, 玉川省吾*, 吉津孝衛**
日本マイクロ会誌 20巻1号:97-102, 2007

術後22年経過した両側Wrap around flapの1例
*燕労災病院 整形外科, **新潟手の外科研究所
宮崎義久*, 松崎浩徳*, 登石聡*, 武田宏史*, 玉川省吾*, 吉津孝衛**
日本マイクロ会誌 20巻1号:97-102, 2007

掌側用Locking Plateを使用した橈骨遠位端骨折の治療成績
*燕労災病院 整形外科
宮崎義久*, 松崎浩徳*, 登石聡*, 武田宏史*, 玉川省吾*,
整形・災害外科 50巻10号:1141-1147, 2007

異所性再接着(transpositional replantation)による手指機能再建
松崎浩徳* 成澤弘子** 登石聡* 三輪仁***
*燕労災病院整形外科, **新潟手の外科研究所, ***新潟県立新発田病院
整形・災害外科 51巻1号:97-105, 2008

第2、3、4、5CM関節脱臼または脱臼骨折の2例
*燕労災病院整形外科 **新潟手の外科研究所
玉川省吾* 松崎浩徳* 登石聡* 宮崎義久* 成澤弘子**
新潟整形外科研究会誌 23巻1号:27-30, 2007

外傷性肘関節拘縮に対する肘関節授動術の検討
1燕労災病院整形外科, 2新潟手の外科研究所
松崎浩徳1 成澤弘子2 登石聡1 宮崎義久1
日本肘関節学会雑誌 14巻2号:240-243, 2007

外傷性または関節症性肘関節拘縮に対する肘関節授動術
松崎浩徳1 成澤弘子2 高田真一1 松本英彦1
1燕労災病院整形外科 2新潟手の外科研究所
日本肘関節学会雑誌 15巻2号:9-13, 2008

血管柄付き趾関節移植術後28年が経過したBlauth IIIb型低形成母指の1例
松崎浩徳* 登石聡* 吉津孝衛**
*燕労災病院 整形外科  **新潟手の外科研究所
日本マイクロサージャリー学会会誌 第21巻3号: 325-330, 2008

掌側用ロッキングプレートを使用した橈骨遠位端骨折の治療成績
宮崎義久 松崎浩徳 登石聡
燕労災病院整形外科
日本手の外科学会雑誌 24巻5号:625-630, 2008

同側前腕からの皮弁移植による手部欠損再建- 適応および術式の検討と成績評価
松崎浩徳1 成澤弘子2 登石聡1
1燕労災病院整形外科 2新潟手の外科研究所 3登石整形外科クリニック
日本手の外科学会雑誌 25巻4号:436-440, 2009

Dupuytren拘縮に対するzigzag切開による選択的手掌腱膜切除術の長術後成績
松崎浩徳1 成澤弘子2 高田真一1
1燕労災病院整形外科 2新潟手の外科研究所
日本手の外科学会雑誌 26巻6号:501-504, 2010

同一肢の肘部管症候群を合併した回内筋症候群の1例
日本肘関節学会雑誌 17(2) 2010:

Functional and cosmetic results of fingertip replantation: Anastomosing only the Digital Artery: A Case Series
Hironori Matsuzaki1, Takae Yoshizu2, Yutaka Maki2, Naoto Tsubokawa2
1Department of Orthopedic Surgery, Akita Red Cross Hospital
2Niigata Hand Surgery Foundation
Annals Plast Surg, 53: 353-359, 2004

Effect of suture material and bone quality on the mechanical properties of zone I flexor tendon-bone reattachment with bone anchors.
Hironori Matsuzaki MD, Melissa A Zaegel BS, Richard H Gelberman MD, Matthew J Silva Ph D
Department of Orthopaedic Surgery Washington University School of Medicine, St. Louis, Missouri
J Hand Surg. 33-A: 709-717, 2008

Predicting Functional Recovery and Return to Work after Mutilating Hand Injuries: Usefulness of Hand Injury Severity Score
Hironori Matsuzaki1, Hiroko Narisawa2, Hitoshi Miwa3, Satoshi Toishi1
1Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital, 2Niigata Hand Surgery Foundation, 3Department of Orthopaedic Surgery, Niigata Prefectural Shibata Hospital
J Hand Surg 34A: 880-885 2009

A Blauth IIIB Hypoplastic Thumb Reconstructed with a Vascularized Metatarso-Phalangeal Joint Transfer: A Case Report with 28 years of Followup
Hironori Matsuzaki1, Satoshi Toishi1, Takae Yoshizu2
1Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital
2Niigata Hand Surgery Foundation
Hand Surgery 14: 63-68, 2009

講演

手の怪我について- 機能温存と最近の治療法
第40回市民・勤労者医学講話 2006年12月5日 燕労災病院 外来ホール
三条労働基準監督署勉強会 2007年2月16日 三条労働基準監督署

整形外科マイクロサージャリーについて
燕労災病院整形外科 松崎浩徳
燕労災病院看護部勉強会 2007年3月23日 燕労災病院

手の外科の最前線- 最新の治療法と基礎研究
日本イーライリリーMR勉強会 2007年4月27日 オークラホテル新潟
燕労災病院整形外科 松崎浩徳

外傷後の慢性疼痛 RSDの診断と治療
三条労働基準監督署勉強会 2008年2月29日 三条市
燕労災病院整形外科 松崎浩徳

労災疾病等13分野医学研究・開発、普及事業 上肢の重度外傷に対する治療法についての調査研究と治療法の普及
燕労災病院整形外科
松崎浩徳
第3回 燕・三条地区病診連携会議 2008 年7月14日 三条市

重度手指外傷の治療戦略-最大限の機能回復を目指して-
燕労災病院整形外科
松崎浩徳
新潟整形外科臨床談話会 2008年8月28日 新潟東急イン

手指切断および不全切断における重症度および損傷形態の機能回復ならびに職場復帰に対する影響- 労災疾病等13分野研究の研究成果から
燕労災病院整形外科 松崎浩徳
三条労働基準監督署勉強会 2009年2月13日 三条労働基準監督署

偽関節(nonunion)の治療
燕労災病院整形外科 松崎浩徳
三条労働基準監督署勉強会 2010年2月18日 三条労働基準監督署

学会発表

最近経験した母指再建の3例
燕労災病院整形外科
松崎浩徳 登石聡 宮崎義久 武田宏史、玉川省吾
第17回新潟関節外科研究会 2006年6月24日 妙高高原

術後22年経過した両側Wrap Around Flapの1例
燕労災病院整形外科
宮崎義久、松崎浩徳、登石聡、武田宏史、玉川省吾
第33回日本マイクロサージャリー学会 2006年10月27、28日 奈良

母指切断に対して行ったWrap Around Flapと再接着症例の長期成績の検討
1燕労災病院整形外科,  2新潟手の外科研究所
松崎浩徳1, 登石聡1 宮崎義久1, 武田宏史1, 玉川省吾1, 成澤弘子2
第33回日本マイクロサージャリー学会 2006年10月27、28日 奈良

職業性の挫滅損傷及び外傷性切断に対する再建術及び手術後の可動範囲拡大についての研究・開発・普及(第一報)
-手指切断および不全切断における重症度および損傷形態の機能回復ならびに職場復帰に対する影響

1燕労災病院整形外科, 2新潟手の外科研究所, 3新潟県立新発田病院整形外科,
松崎浩徳1, 成澤弘子2, 登石聡1, 三輪仁3
第54回日本職業災害医学会  2006年11月9、10日 横浜

異所性再接着(transpositional replantation)による手指機能再建
1燕労災病院整形外科,  2新潟手の外科研究所
松崎浩徳1, 成澤弘子2, 登石聡1, 宮崎義久1
第21回東日本手の外科研究会 2007年1月26日 東京

掌側用ロッキングプレートを使用した橈骨遠位端骨折の治療成績
燕労災病院整形外科
宮崎義久, 松崎浩徳, 登石聡, 武田宏史, 玉川省吾
第21回東日本手の外科研究会 2007年1月26日 東京

肘関節外傷性拘縮に対する関節授動術の治療成績
1燕労災病院整形外科, 2新潟手の外科研究所
松崎浩徳1, 成澤浩子2, 登石聡1, 宮崎義久1
第19回日本肘関節学会学術集会 2007年2月10日 神戸

第2、3、4,5CM関節脱臼または脱臼骨折の2例
燕労災病院整形外科
玉川省吾、松崎浩徳 登石聡 宮崎義久
第188回新潟整形外科研究会 第15回新潟手の外科研究会 2007年1月13日 新潟

掌側ロッキングプレートを使用した橈骨遠位端骨折の治療成績
燕労災病院整形外科
宮崎義久、松崎浩徳、登石聡、武田宏史、玉川省吾
第50回日本手の外科学会学術集会 2007年4月19、20日 山形

手指切断や不全切断における重症度および損傷形態の機能回復ならびに職場復帰に対する影響
1燕労災病院整形外科, 2新潟手の外科研究所, 3新潟県立新発田病院
松崎浩徳1、成澤弘子2、登石聡1、三輪仁3
第50回日本手の外科学会学術集会 2007年4月19、20日 山形

手部挫滅創に対する逆行性前腕皮弁~緊急手術での一期的再建~
燕労災病院整形外科
松崎浩徳, 登石聡, 高田真一, 松本英彦
第18回新潟関節外科研究会 2007年6月23日 岩室温泉

当科で最近施行した遊離血管柄付き骨移植~症例呈示~
燕労災病院整形外科
松崎浩徳 登石聡 高田真一 松本英彦
第18回新潟関節外科研究会 2007年6月23日 岩室温泉

血管柄付き趾関節移植術後28年が経過したBlauth IIIb型低形成母指の1例
燕労災病院整形外科 新潟手の外科研究所
松崎浩徳 吉津孝衛 登石聡
第34回日本マイクロサージャリー学会 2007年10月18、19日 福島

職業性の挫滅損傷及び外傷性切断に対する再建術及び手術後の可動範囲拡大についての研究・開発・普及(第二報)
- 手指重度外傷に対する各種治療戦略と成績の検討

1燕労災病院整形外科 2新潟手の外科研究所 3新潟県立新発田病院
松崎浩徳1, 成澤弘子2, 登石聡1. 三輪仁1
第55回日本職業・災害医学会学術大会 2007年11月2、3日

悪条件下での遊離組織移植による下肢再建 症例報告
燕労災病院整形外科
松崎浩徳 高田真一 松本英彦
二木会 2007年11月8日
第13回 東北マイクロサージャリー懇話会 2007年12月1日 仙台

逆行性前腕皮弁による手部再建- 適応および術式の検討と成績評価
燕労災病院整形外科
松崎浩徳 高田真一 松本英彦
第22回東日本手の外科研究会 2008年1月25日

外傷性または関節症性肘関節拘縮に対する肘関節授動術
松崎浩徳1 成澤弘子2 高田真一1 松本英彦1
1燕労災病院整形外科 2新潟手の外科研究所
第20回日本肘関節学会  2008年2月2日 品川プリンスホテル(東京)

同側前腕からの皮弁移植による手部欠損再建- 適応および術式の検討と成績評価
1燕労災病院整形外科, 2新潟手の外科研究所
松崎浩徳1, 成澤弘子2, 登石聡1
第51回日本手の外科学会 2008年4月17、18日 つくば市

当科で最近経験した多数指再接着症例-適応決定と問題点
燕労災病院整形外科
松崎浩徳 高田真一 古子剛
第19回新潟関節外科研究会 2008年6月28日 寺泊

掌側用ロッキングプレートを使用した橈骨遠位端骨折の治療成績
燕労災病院整形外科>
松崎浩徳>
第23回 二木会 2008年7月11日 新潟県立吉田病院

当科で最近経験した多数指再接着症例- 適応決定と問題点
第3回県央地区整形外科懇話会 三条市 富永草野病院

当科で最近経験した多数指再接着症例-適応決定と問題点
松崎浩徳1 成澤弘子2 登石 聡3
1燕労災病院整形外科 2新潟手の外科研究所 3といし整形外科クリニック
第56回日本職業・災害医学会学術大会 2008年11月7-8日、東京
第35回日本マイクロサージャリー学会 2008年11月14、15日 朱鷺メッセ(新潟)

逆行性指動脈皮弁による指尖部再建の治療成績
燕労災病院整形外科
松崎浩徳 高田真一  古子剛
第24回二木会
2008.11.14  新潟市

逆行性指動脈皮弁による指尖部再建の治療成績績
松崎浩徳 湯本聡>
燕労災病院整形外科 秋田赤十字病院整形外科>
第23回東日本手の外科研究会 2009.2.27 水戸市

高齢者下腿外傷に対する血管付き腓骨移植
燕労災病院整形外科
松崎浩徳
第196回新潟整形外科研究会 2009年1月31日 新潟

Dupuytren拘縮に対するZigzag切開による選択的手掌腱膜切除術の長期成績
燕労災病院整形外科 松崎浩徳
第52回日本手の外科学会 2009年4月16、17日 東京都

逆行性もしくは遊離後骨間動脈皮弁による手部欠損の再建
燕労災病院整形外科, 新潟大学整形外科
s 松崎浩徳, 幸田久男, 山下晴義
第57回日本職業・災害医学会学術集会 2009年11月21、22日

同一肢の肘部管症候群を合併した回内筋症候群の1例
燕労災病院整形外科 松崎浩徳 幸田久男
第22回日本肘関節学会 2010年2月13日 さいたま市

Stage IIIキーンベック病に対する橈骨短縮術および第二中手骨基部血管柄付き骨移植の2例
燕労災病院整形外科 松崎浩徳 幸田久男
第24回東日本手の外科研究会 平成22年2月12日 さいたま市

内軟骨腫との鑑別を要した手指骨結核の1例
燕労災病院整形外科 幸田久男 松崎浩徳
第24回東日本手の外科研究会 平成22年2月12日 さいたま市

手掌内小皮切による手根管開放術の術後成績
燕労災病院整形外科, 新潟大学整形外科
松崎浩徳, 幸田久男, 山下晴義
第53回日本手の外科学会学術集会 2010年4月15日~4月17日, 新潟市

手根管症候群重症例に対する同時母指対立再建術の術後短期成績
燕労災病院整形外科, 新潟大学整形外科
幸田久男, 松崎浩徳, 山下晴義
第53回日本手の外科学会学術集会 2010年4月15日~4月17日, 新潟市

逆行性もしくは遊離後骨間動脈皮弁による手部欠損の再建
燕労災病院整形外科, 新潟大学整形外科
松崎浩徳, 幸田久男, 山下晴義
第37回日本マイクロサージャリー学会 2010年11月18、19日 名古屋市

逆悪条件下での血管柄付き組織移植による下肢再建 症例報告
燕労災病院整形外科, 新潟大学整形外科
松崎浩徳, 幸田久男, 山下晴義
第37回日本マイクロサージャリー学会 2010年11月18、19日 名古屋市

静脈皮弁による手指再建症例の検討
幸田久男, 松崎浩徳, 山下晴義
第37回日本マイクロサージャリー学会 2010年11月18、19日 名古屋市

高齢者の切断手指再接着 適応および実際上の問題点に関して
燕労災病院整形外科, 新潟大学整形外科
松崎浩徳, 幸田久男, 山下晴義
第25回東日本手外科研究会 平成23年2月25日 東京都

肘関節側副靱帯修復術の治療成績
燕労災病院整形外科, 新潟大学整形外科
松崎浩徳, 幸田久男, 山下晴義
第23回日本肘関節学会 2011年2月26日 東京都

The Effect of Bone Quality and Suture Material on the Biomechanical Properties of Tendon-Bone Interface in Zone I Flexor Tendon Reattachment with Mitek Anchors
Hironori Matsuzaki1, Matthew J Silva2, Melissa Zaegel2, Richard H Gelberman2
1Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital, 2Department of Orthopaedic Surgery, Washington University School of Medicine
61st Annual Meeting of the American Society for Surgery of the Hand, September 7-9, 2006, at Marriott Wardman Park Hotel in Washington DC

Predicting Functional Recovery and Return to Work after Mutilating Hand Injuries: Usefulness of Hand Injury Severity Score
Hironori Matsuzaki1, Hiroko Narisawa2, Hitoshi Miwa3, Satoshi Toishi1
1Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital
2Niigata Hand Surgery Foundation
3Department of Orthopaedic Surgery, Niigata Prefectural Shibata Hospital
62nd Annual Meeting of the American Society for Surgery of the Hand, September 27-29, 2007, Seattle, Washington

Replantation of Multiple Amputated Digits: Our Surgical Results and Current Problems
Hironori Matsuzaki
Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital
5th Congress of the World Society for Reconstructive Microsurgery June 25 - 27, 2009, Okinawa

Effect of Suture Material and Bone Quality on the Mechanical Properties of Zone I Flexor Tendon-Bone Reattachment with Bone Anchor
Hironori Matsuzaki, Hisao Koda
Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital
The 2010 Annual Meeting of Radiology and Nuclear Medicine of China June 19-21, 2010, Yichang, China

Preventing Postoperative Congestion in Reverse Pedicle Digital Island Flaps when Reconstructing Composite Tissue Defects in Fingertips: A Report of 10 Cases
Hironori Matsuzaki, Hisao Koda, Haruyoshi Yamashita
Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital
11th Triennial Congress of the International Federation of Societies for Surgery of the Hand, 31 October 4 November, 2010 Seoul, Korea

Surgical Results of Open Carpal Tunnel Release through a Minimal Intra-palmar Incision: A Case Series of 50 Hands
Hironori Matsuzaki, Hisao Koda, Haruyoshi Yamashita
Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital
The 5th Combined Meeting of the Japanese and American Societies for Surgery of the Hand, March 26-29, 2011Grand Wailea, Maui, Hawaii

Free or Reverse-flow Posterior Interosseous Flaps for Repairing the Skin and Soft-tissue Defects in the Hand
Hironori Matsuzaki, Hisao Koda, Haruyoshi Yamashita
Department of Orthopaedic Surgery, Tsubame Rosai Hospital
The 4th Annual Congress of the Egyptian Society of the Hand and Microsurgery, October 11-13, 2011 ,Luxor, Egypt

参考文献

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